和歌山県白浜町の南紀白浜温泉(なんきしらはまおんせん)にある日帰り温泉『崎の湯』(さきのゆ)を訪問した。
崎の湯は、海岸の磯に湧き出す露天温泉である。目の前に海が広がる独特のロケーションが特徴である。露天風呂は2つのみで、設備はシンプルである。一方で、温泉からはしっかりと匂いが感じられ、潮風や潮の香りも強く感じられる。本記事では、浴場の造りや温泉の特徴、実際の入浴体験を紹介する。
南紀白浜温泉全体の散策記事については、以下記事を参照のこと。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 南紀白浜温泉 崎の湯 |
| 所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町1668 |
| 料金 | 500円 |
| 泉質 | ナトリウム塩化物泉 |
| 浴槽 | 露天風呂 |
| 営業時間 | 7:00~19:00(7~8月)、8:00~17:00(10~3月)、8:00~18:00(4~6月) |
| 公式サイト | https://www.nankishirahama.jp/spot/546/ |
浴場と温泉の特徴 #

露天風呂は2つのみ。いずれも海に面した開放的な造りで、目の前には荒々しい海が広がっている。磯の中から温泉が湧き出しており、岩場のくぼみに温泉が溜まったところへ、そのまま身を沈めているような感覚である。建物に囲まれた一般的な露天風呂とはまったく異なり、海と一体化したようなロケーションが最大の魅力と感じた。
脱衣所も非常に簡素で、建屋はなく、棚に設置されたかごへ衣類を入れるスタイルである。浴場にはカランもなく、設備は掛け湯が用意されている程度と、かなりシンプルである。
泉質はナトリウム塩化物泉で、色は無色透明である。硫化水素のような匂いがあり、温泉らしさをしっかり感じられる。2つの浴槽では匂いの強さに違いがあり、手前の浴槽のほうが源泉に近いためか、より強い匂いだった。一方、奥の浴槽は景観に優れているためか、こちらのほうが人気があった。
そして、この温泉では温泉そのものだけでなく、海の存在も強烈に印象に残る。潮風が絶えず吹き付け、海水の飛沫や潮の香りを強く感じるため、湯に浸かっているだけで口元がしょっぱくなるほど。硫化水素臭に潮の匂いがハーモニーのように重なり合い、独特の海辺の温泉の雰囲気を作り出している。
これほどのむき出しの海辺の景観は、青森の不老ふ死温泉や式根島の温泉と並ぶほどではないかと思う。荒々しい海と一体化したような湯船に身を置いていると、「古代の人々も、こうして海辺で温泉に浸かっていたのではないか」と想像が膨らむ。
設備の簡素さも含めて、単に温泉に入るというより、海そのものに浸かっているような感覚を味わえる温泉だった。
まとめ #
磯の岩場に湧き出す温泉に身を沈め、目の前には荒々しい海が広がる。潮風を浴び、口元には海水のしょっぱさを感じながら、潮と温泉の匂いが混ざり合う湯に浸かるという、他ではなかなか味わえない体験ができた。設備は非常にシンプルだが、それを補って余りあるほど、海と温泉が一体化したロケーションが印象的な温泉だった。
快適な設備や館内でのんびり過ごすことよりも、秘湯感のある温泉や、自然と一体化したようなロケーションを楽しみたい人におすすめ。珍しい温泉体験を求めているなら、一度は訪れてみてほしい。