和歌山県田辺市にある龍神温泉(りゅうじんおんせん)は、日本三美人の湯に数えられ、トロトロの泉質が楽しめる、お気に入りの温泉の一つである。
※温泉の魅力や宿の情報については、以下記事を参照のこと。
しかし、人に勧めづらい理由として、アクセスの困難さがある。龍神温泉は紀伊半島の山奥に位置しており、紀伊半島は本州で最もアクセスがしづらい秘境と言われるくらいだ。実際、龍神温泉は電車・バスでのアクセスは制限され、自家用車で行こうにも、ルートによっては酷道と呼ばれるような狭い道であったり、頻繁に土砂崩れがあったり、冬は路面が凍ったりと、散々な立地である。
このようなアクセスの難しさはあるが、それを乗り越えてでも浸かる価値があるのが龍神温泉の醍醐味だ。本記事では、車によるアクセスと、公共交通機関(電車・バス)によるアクセスの2つを紹介するが、結論から言えば、自由度の高い車によるアクセスを強くおすすめしたい。 一人でも多くの人が安全にこの名湯に辿り着けるよう、実体験に基づいたルートの注意点や詳細をここに記す。
車によるアクセス:大阪方面から #
大阪方面から訪れる場合、和歌山ICや有田ICまでは快適な高速道路が続くが、そこから先は紀伊半島特有の厳しい山道が待ち構えている。国道とは名ばかりの、極端に道幅が狭く崖沿いを走る酷道も点在するため、ルート選びを誤れば旅がスリリングな冒険に変わりかねない。
土砂崩れ回避のルート想定 #
紀伊半島は酷道が多い上に、土砂崩れ災害も多い印象である。私は2026年2月時点で龍神温泉に4回訪問しているが、そのうち2回で、土砂崩れによる一部通行止めに遭遇している。宿泊の場合は、宿から丁寧な案内が届き、代替ルートを教えて貰ったが、日帰りの場合は当たり前だが自分で事前に調べて気付かないといけない。訪問前には以下のようなサイトで、道路情報をチェックしておくことをお勧めしたい。
冬にスタッドレスタイヤは必須 #
また、冬に龍神温泉を訪れる際は、必ずスタッドレスタイヤを装着すべきである。私は12月末や2月中旬に龍神温泉を訪問したことがあり、その時期でも積雪は見られないものの、小雪が降る時があった。私は冬の期間はスタッドレスタイヤを履いているため問題無かったものの、ノーマルタイヤだったらどうなっていたか分からない。ただでさえ龍神温泉周辺は酷道が多い上、事故に遭ったら救急隊もなかなか駆け付けられないため、念には念を入れた方が良い。
龍神温泉駐車場は無料で空きあり #

なお、龍神温泉に辿り着きさえすれば、駐車場の心配は不要である。無料駐車場があり、スペースも広く、休日でも満車になることは無いだろう。十津川温泉は有料の立体駐車場だったのと対照的である。
公共交通機関(電車・バス)によるアクセス #

自家用車やレンタカーが使えず、どうしても電車・バスのみで訪れたい場合は、JR紀伊田辺駅から龍神バスに乗り訪れる手段がある。龍神バスでは、龍神温泉へ向かうバスは、龍神線と聖地巡礼バスの2系統ある。
龍神線:宿泊者向け #
龍神線は以下のように、往路は昼~夕方着で、復路は朝~昼着であるため、宿泊客(または地元客)前提の路線であり、昼前に訪れて夕方に帰るのような日帰り客は全く想定されていない。往路の始発便で来ても、復路の最終便には間に合わないためである。
| 便 | 往路 (紀伊田辺駅 → 龍神温泉) | 復路 (龍神温泉 → 紀伊田辺駅) |
|---|---|---|
| 1便 | 12:00 → 13:10 | 07:59 → 09:10 |
| 2便 | 13:50 → 15:00 | 09:54 → 11:05 |
| 3便 | 15:00 → 16:10 | 11:54 → 13:05 |
聖地巡礼バス:日帰りの可能性 #
聖地巡礼バスであれば、往路は龍神温泉に10時着のため、龍神線の復路最終便に間に合い、日帰り訪問が理論的には可能である。ただし、滞在時間は2時間にも満たない。
| 便 | 往路 (紀伊田辺駅 → 龍神温泉) | 復路 (龍神温泉 → 紀伊田辺駅) |
|---|---|---|
| - | 8:00 → 10:11 | 11:54 → 13:05 (龍神線) |
時刻表に関する注意 #
上記の時刻表は、2026年2月時点の龍神バスHPの情報を整理したものだが、運行時刻が変更になる可能性もあるので、直接龍神バスHPを確認することをお勧めする。また、バスの時刻表や路線図を自力で読み解くのが困難な方は、宿泊して宿の送迎バスを利用することをお勧めする。
まとめ:困難なアクセスの先には美人の湯が待っている #
龍神温泉への道のりは、決して平坦ではない。紀伊半島の険しい地形や天候、限られた公共交通機関など、訪れる者を試すかのような秘境の洗礼が待ち構えている。
しかし、その厳しい道のりの先には、日常の喧騒を忘れさせる極上のトロトロの湯と、静寂に包まれた温泉情緒が待っている。事前の準備を整え、ルートを慎重に選べば、その苦労は間違いなく一生モノの温泉体験へと変わるはずだ。この記事を参考に、万全の体制でこの名湯を訪れてみてほしい。