滋賀県甲賀市にある『甲賀温泉 やっぽんぽんの湯』を訪問した。
ニフティ温泉のランキングでは、滋賀県内で上位にランクインした実績を持つ温泉施設である。しかし、実際に足を運んでみると、泉質は悪くはないものの、料金設定やサービス面においていくつかの疑問や物足りなさを感じる結果となった。近隣の大河原温泉との比較も含め、実際の訪問体験を紹介する。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 甲賀温泉 やっぽんぽんの湯 |
| 所在地 | 滋賀県甲賀市土山町黒川1711 |
| 料金 | 平日1,300円、土日祝1,600円 ※タオルは別料金 |
| 泉質 | ナトリウムー炭酸水素塩冷鉱泉 |
| 浴槽 | 内湯複数、サウナ、露天風呂1つ |
| 営業時間 | 12:00~22:00 |
| 公式サイト | https://www.diamond-s.co.jp/yappon/ |
浴場と温泉の特徴 #

やっぽんぽんの湯の浴場は、内湯複数、サウナ、露天風呂1つで構成されている。露天風呂の浴槽自体は1つだが、かなり広いL字型の岩風呂で見事な造りである。
泉質はナトリウムー炭酸水素塩冷鉱泉で、色は無色透明である。源泉温度が低いため加温・循環・消毒がなされているが、内湯は加水無しで提供されている。特筆すべきは、内湯で感じられた温泉のすべすべ感である。同じ泉質を持つ近隣の大河原温泉ではそれほどすべすべ感を感じられなかったため、この肌触りの違いは対照的で非常に印象に残った。
露天風呂は加水有りのようだが、ゆっくりと長湯をしながら日々の疲れを癒やすにはいい湯だと感じる。総じて、温泉自体のクオリティは決して悪くない。
館内施設 #
館内にはマッサージ施設はあるが、食事処は存在しない。ロビーや休憩所はあるが長時間休むといった感じでは無く、訪問者はみな、休まず足早に帰っていくのが印象的だった。
受付周辺には、ニフティ温泉の表彰状が飾られていた。

2022年には滋賀県の宿泊部門にて第1位を獲得していた。

また、2025年には滋賀県の総合部門にて第5位を獲得していた。私も温泉好きではあるが、正直、ニフティ温泉のランキングを今まで気にしたことは無かったため、どういう基準で評価しているのか気になった。

受付近くにはロビーがあった他、ロビーの奥には温泉宿のように卓球台が置かれていた。昨今、周囲に人がいる中、卓球をする人はどれくらいいるだろうか。

ロビーには漫画は一応置かれているが充実しているとは言い難く、ちょっとした定食屋に置いてある程度の量しか無い。

また、休憩所は畳敷きで、机と座布団がある程度であった。休憩所は受付と浴場の間の廊下にあり、衝立も無く人の目も多いため、ここで長時間休むのは厳しいと感じた。また、ロビーも含めて、長時間休めるようなリクライニングシートが無いのも残念である。

入浴後には定番の瓶入りコーヒー牛乳を頂いた。
料金設定への疑問 #
やっぽんぽんの湯は、泉質は悪くなく岩風呂の造りも見事な一方で、訪問時1,700円という入浴料の高さには不満を抱いた。立地は大都市圏では無い地方の山奥で、周辺の温泉施設も1,000円前後であるため、どうしても入浴料の高さが目立つ。この強気な価格設定であるなら、せめてフェイスタオルは付けて欲しいが、別料金となっている。
また、この料金に見合うだけの付加価値が乏しい点も気になった。
源泉掛け流しというわけでもなく、スーパー銭湯のようにリラクゼーション施設が充実しているわけでもない。この価格帯の温泉施設であれば、立派な休憩所で長居できたり、漫画が10,000冊ほど常備されていたり、充実した飲食店が併設されていたりといった付加価値があって然るべきではないだろうか。
市内住民向けの割引もあるようだが、それも300円引きに留まるため、地元の人が日常使いするのも厳しいと感じた。ニフティ温泉で上位にランクインしているという実績には、いささか疑問が残る内容だった。
なお、2026年4月から1,600円へ100円値下げされている。昨今の燃料費の高騰の中、値下げは珍しいが、やはり施設としても値段が高過ぎたという考えがあったのだろう。
近くの大河原温泉との比較 #
やっぽんぽんの湯を訪れたことで、以前訪問した近くの大河原温泉が、手狭な空間でありながら開店と同時にやたらと混雑していた理由が腑に落ちた。
やっぽんぽんの湯と大河原温泉の周辺にはキャンプ場が複数有り、アウトドア客の需要が多いエリアだが、そちらの層から見てもやっぽんぽんの湯の1,700円(+タオル代)という価格設定は高すぎるのだろう。結果として、手頃に利用できる大河原温泉に客が集中しているのではないかと推測される。
まとめ #
甲賀温泉 やっぽんぽんの湯は、内湯のすべすべとした肌触りや広々とした露天風呂など、温泉単体の質としては悪くない施設である。
しかし、1,700円という強気な入浴料に対して、タオル別売りというサービス面や、長居したくなるような館内施設の充実度が追いついていない印象は否めない。温泉の泉質そのものをじっくり楽しむ目的であれば選択肢に入るが、日帰り温泉施設としての総合的なコストパフォーマンスやエンタメ性を期待して訪れると、物足りなさを感じた。