福島県会津若松市にある東山温泉(ひがしやまおんせん)の『くつろぎ宿 千代滝』に宿泊した。
を訪問した。東京から新幹線で郡山へ、そこから磐越西線とバスを乗り継いで辿り着いた東山温泉は『向瀧』や『新滝』といった、「滝」を冠する名宿が軒を連ねる。私は高台に位置する『くつろぎ宿 千代滝』に宿泊したので、その体験を記す。
東山温泉全体の散策記事については、以下を参照のこと。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | くつろぎ宿 千代滝 |
| 所在地 | 福島県会津若松市東山町湯本寺屋敷43 |
| 泉質 | ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉 |
| 浴槽 | 内湯、露天風呂、貸し切り風呂 |
| 公式サイト | http://www.chiyotaki.kutsurogijuku.jp/ |
| 日帰り利用 | 不可 |
温泉 #

千代滝の泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉で、色は無色透明である。非常に身体が温まる泉質であり、私好みの泉質である。訪問時は3月上旬であり、まだ積雪が残っていたため、このような温まる泉質は大歓迎であった。
館内には複数の浴場があるが、私は2階にある半露天風呂と、貸し切り風呂の2つを利用した。半露天風呂は屋上の露天風呂と比べると展望はやや劣ると思うが、風がちょうど入り、外気浴というほど寒くなく、純粋に温泉を堪能するには向いていた。私が入浴した際は、ちょうど入れ替わりで他の客がいなくなり、独占状態で堪能できた。

また、貸し切り風呂は50分の貸し切り制で、予約が必要であるが、チェックイン時にたまたま空いていたため、予約が可能だった。追加料金は1,500円で利用できた。大浴場と比べると手狭であり、半露天風呂のような開放感も無いが、その分、温泉そのものに向き合うことが出来た。
食事 #
千代滝での滞在で、何より衝撃を受けたのは食事の質の高さであった。夕食・朝食ともにバイキング形式だが、そこにあるのは食べ放題という言葉から連想される大味な料理ではなかった。

特に夕食の天ぷらは、天ぷら専門店で供されるそれと遜色ない、卓越した揚げ上がりであった。美味しいバイキングとなると、ついつい食べ過ぎてしまうのが人情というもの。元々私は大食漢ではあるが、この日は2人前に近い量を食べてしまった。嬉しい悲鳴である。なお、夕食のメニューには、会津名物のソースカツ丼もあった。

朝食でいただいた鯖の焼き加減ひとつをとっても、職人の丁寧な仕事が透けて見えるような絶妙な塩梅であった。これまで数多くの宿に泊まってきたが、バイキングでここまで一点一点の料理に感動を覚えることは珍しい。会津の豊かな食文化の底力を、思いがけぬ形で突きつけられた思いだった。
日本酒 #
会津若松は、言わずと知れた酒どころである。この地が育む水の良さは、食事だけでなく、当然ながら日本酒にも結実している。

夕食時から地酒の飲み比べに興じたが、それだけでは飽き足らず、夕食後は館内にある日本酒バー『地酒の館』へと足を運んだ。

会津の銘酒がずらりと並ぶその空間は、日本酒好きにとっては文字通りの聖地。澄んだ水から醸された酒は、どれも喉越しが良く、芳醇な香りが鼻を抜ける。
まとめ #
会津の人々の距離感は、かつて訪れた飯坂温泉の人々の温かさに通じるものがあった。 バイキングの料理に感動し、地酒の奥深さに酔いしれる。アクセスの良さに甘んじることなく、提供されるものの質を極限まで高めている千代滝での滞在は、泊まってこそ分かる温泉地の価値を再認識させてくれるものであった。
旨い飯と、旨い酒。それだけで、旅はこれほどまでに満たされる。会津・東山温泉は、心から再訪を願う、優しき水の都であった。