三重県津市にある榊原温泉(さかきばらおんせん)は、トロトロな泉質で、湯上り後は肌がすべすべになる温泉として人気である。私は日帰り温泉施設である『湯元榊原舘 日帰り温泉 湯の庄』を訪問したので、その体験を記す。
榊原温泉全体に関するレポート記事はこちらから。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 湯元榊原舘 日帰り温泉 湯の庄 |
| 所在地 | 三重県津市榊原町5970 |
| 入浴料 | 1,000円(タオル付) |
| 泉質 | アルカリ性単純泉 |
| 源泉掛け流し | あり |
| 浴槽 | 内湯2、露天風呂1 |
| 営業時間 | 9:00~20:00 |
| 公式サイト | https://yuno-sho.jp |
温泉と大浴場の特徴 #
榊原温泉の泉質はアルカリ性単純泉で、色は無色透明である。湯船に入った瞬間、まるで化粧水に全身を浸したような、滑らかでとろみのある肌触り。これが榊原温泉の大きな特徴であり、美人の湯として知られる理由でもある。
湯の庄はなんと2つの源泉を保有しており、源泉掛け流しの湯を提供している。入浴してみると、わずかに硫黄臭の香りがした。湯の庄では、特にぬる湯の湯船が素晴らしかった。榊原温泉の源泉は約30℃と低く、内湯の大きい湯船や露天風呂では加温しているが、温泉に拘っているためか、加温していない源泉掛け流しの湯船もある。

このぬる湯の源泉風呂については、温泉分析表を見ると、加水・加温・循環ろ過・入浴剤・消毒剤無しの、本当に何も手を加えていない、源泉そのままの温泉であるようだ。
ぬる湯は長湯にぴったりで、泉質の良さをじっくりと堪能できるが、問題はその人気ぶりである。ぬる湯の湯船は常に満員で、両隣や正面の人と膝が触れ合うほどだった。その隙間ですら、空くのを結構な時間待たなければいけないほどである。静かにゆったりと湯に浸かりたい派にとっては、なかなかの修行かもしれない。

なお、湯の庄の大浴場はもえぎとむらさきの2種類あり、それぞれ、日替わりで男湯と女湯に入れ替わることになっている。私は、もえぎとむらさきのどちらも入浴したが、ぬる湯の源泉風呂はどちらもあるので心配なく。
館内施設 #

湯の庄の館内には、飲泉所も設けられていた。社形の飲泉所は何とも風情がある。飲んでみると、ほのかに硫黄の香りがした。飲泉が出来る温泉というのは、循環や消毒も無く、新鮮な温泉であるということだ。

湯の庄には畳敷きの休憩所があり、受付では飲料も売っている。私は例のごとく、休憩所で瓶入りコーヒー牛乳を頂いた。湯の庄で取り扱っている瓶入り牛乳の銘柄は、三重県地元の大内山酪農が生産している大内山牛乳である。森永・明治と大手企業による瓶入り牛乳の撤退が続く中、こういった地場メーカーによる瓶入り牛乳は是非とも存続して欲しいものである。

湯の庄は日帰り温泉施設だが、隣接する宿泊施設『榊原館』と建物は廊下でつながっている。榊原館の方を散策してみると売店があり、榊原温泉の源泉で作ったという、純米吟醸『榊の雫』が販売されていた。こうした日本酒が作られるのも、温泉の質が高い証拠だろう。

『榊原館』の方には、訪問したのが2月末ということもあり、立派なひな人形が飾られていた。こうした風物詩が飾られるのも、地元に根付いた老舗旅館である証だろう。
周辺・関連情報 #
日帰り温泉施設である『湯の庄』と、宿泊施設である『榊原館』は同じ敷地内にある。敷地内を散策すると、興味深いものがいくつか見つかった。

まず、隣接する畑近くには榊原温泉のデザイン看板があった。私が書いた、榊原温泉のまとめ記事のヘッダー画像にも採用している。お洒落な看板でフォトスポットを意識して作られたと思うが、敷地(駐車場)内の端の方にあり、殆どの人は気が付かないのでは?と思った。事実、私も『湯の庄』の4回目の訪問で気が付いたほどである。

また、デザイン看板の横にはさざれ石があった。君が代に歌われている、あのさざれ石である。榊原温泉はかつて、伊勢神宮の参拝の前に人々が訪れていたというので、さざれ石が置かれているのだろうか。
まとめ #
『湯元榊原舘 日帰り温泉 湯の庄』は、まさに美人の湯の名に恥じない、極上のトロトロの湯を堪能できる場所であった。特に、一切の加水・加温を行わない源泉ぬる湯の心地よさは、一度浸かれば容易には抜け出せない魔力を持っている。
常に満員という混雑ぶりは少々骨が折れるが、それこそが本物の源泉であることの裏返しだろう。湯上がりに地元の大内山牛乳を喉に流し込み、歴史ある温泉地の空気に浸る時間は、何物にも代えがたい贅沢であった。