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ぬる湯とトロトロの美肌の湯——榊原温泉(三重県津市)

ぬる湯とトロトロの美肌の湯——榊原温泉(三重県津市)

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三重県津市にある榊原温泉(さかきばらおんせん)を訪問した。ここは美人の湯とも呼ばれ、温泉がトロトロで、湯上り後は肌がすべすべになる温泉である。私は日帰り温泉施設2つと、数少ない飲食店を訪問したので、その体験を記す。

なお、三重県の片岡温泉(かたおかおんせん)も訪問しており、訪問記事はこちらから。

2つの日帰り温泉施設を訪問
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榊原温泉の泉質はアルカリ性単純泉で、色は無色透明である。湯船に入った瞬間、まるで化粧水に全身を浸したような、滑らかでとろみのある肌触り。これが榊原温泉の大きな特徴であり、美人の湯として知られる理由でもある。

観光客向け『湯元榊原舘 日帰り温泉 湯の庄』
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湯の庄

榊原温泉で質の高い源泉体験を求めるなら、まず候補に挙がるのが『湯元榊原舘 日帰り温泉 湯の庄』である。入浴料は1,000円(2026年2月時点)とやや高めだが、それに見合う極上の湯を堪能できる。

最大の特徴は、加温・加水・循環・消毒を一切行わない純度100%のぬる湯を源泉掛け流しで提供している点にある。約30℃の源泉そのままの湯船は非常に人気が高く、常に多くの入浴客で賑わっている。

湯の庄の飲泉所

館内には飲泉所や休憩所もあり、三重県の地場メーカー大内山牛乳の瓶入り牛乳も売られている。温泉文化を五感で楽しめる施設だ。

『湯の庄』の詳しい訪問記事はこちらから。

地元客向け『榊原温泉 湯の瀬』
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湯の瀬

もう1つ訪問したのは、『榊原温泉 湯の瀬』という日帰り温泉施設である。こちらは湯の庄と比べると、休日の入浴料が650円と安く、平日に至っては550円という、公衆銭湯並みの価格である(2026年2月時点)。おそらく、地元の方は湯の庄では無くこちらに来ているのだろう。

湯の瀬ではこの安さでありながら、湯の庄と同じく源泉温度のぬる湯の湯船があった。やはりこちらでもぬる湯は人気で、入れないほどであった。ただ、こちらは湯の庄のような硫黄臭はせず、代わりに僅かに消毒臭がしたように思う。

温泉むすめ

湯の瀬の館内には土産物屋があり、そこには温泉むすめのキャラクターである、榊原伊都のパネルが飾られていた。湯の庄には、温泉むすめのパネルやグッズ等を見掛けなかったため、温泉むすめのファンであれば湯の瀬に寄るのも良いだろう。

日帰り温泉施設の総括
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2つの日帰り温泉を巡ってみて、入浴料の違いが気にならない観光客であれば、断然『湯の庄』がお勧めである。ただし、『湯の瀬』も悪い温泉施設では無いし、何よりこの施設内には、後述するように、榊原温泉で数少ない飲食店が併設されているのが良い点である。

榊原温泉の食事処
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榊原温泉には温泉宿がある程度立ち並んでいるものの、いわゆる温泉街のようなにぎわいはない。施設同士の距離もあり、徒歩で湯巡りを楽しむというよりは、車でそれぞれの宿や日帰り施設に向かう形になる。また、観光客向けの飲食店は少ない。

長い営業時間がありがたい『湯の瀬レストラン』
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数少ない飲食店の中でお勧めなのが、日帰り温泉『湯の瀬』の中にある、『湯の瀬レストラン』である。榊原温泉は飲食店が少なく、また、お昼で営業が終わる店が殆どだが、湯の瀬レストランでは、平日は11:00~18:00、土曜日は11:00~22:00、日曜日は11:00~19:00と、比較的遅くまで営業しているのがありがたい。

レストラン

日帰り温泉施設内の飲食店というと、定食屋のような無機質なイメージを持つが、店内は洒落た雰囲気であり、店員も地元の20歳前後の方ばかりで活気がある印象だった。

ジンギスカン定食

価格も観光地としてそれほど高くなく、ジンギスカン定食のご飯大盛を頼んだが、1,510円であった。ラム肉特有の独特の風味があり美味しかった。

ローストビーフ丼が美味しい『kitchen しろ』
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次に紹介するのが、『kitchen しろ』というレストランである。定休日は水曜日で、11:00~15:00の昼間のみ営業している。

ローストビーフ丼

『kitchen しろ』で何といってもお勧めなのが、ローストビーフ丼である。写真はローストビーフ150 gで、ご飯大を選んだもの。価格は1,760円であった。ジューシーなローストビーフに、特製の2種類のタレを掛けて、味を変えながら美味しく頂くことが出来た。

『kitchen しろ』は人気があり、私はラストオーダーギリギリの14:30前に訪問したが、店内には何グループがいて混雑していた。難点として、駐車場が若干狭く、また高台にあるため、駐車の際は注意を要する。

アクセスは車がベスト
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榊原温泉へは、公共交通機関で訪れたこともあるが、自家用車で訪れることが大半である。車での訪問が断然おすすめである。公共交通機関でのアクセスはやや不便で、観光地というよりは地元の人が車で立ち寄る温泉地といった印象が強い。

なお、公共交通機関でアクセスする場合は、近鉄久居駅から三重交通バスに40分ほど乗車し、湯元榊原館前で下車する必要がある。

榊原温泉口駅

榊原温泉への公共交通機関を使ったアクセスで注意が必要なことがる。榊原温泉に最も近い最寄り駅として、近鉄大阪線の榊原温泉口という駅があるが、この駅から榊原温泉へのバスは存在しない(旅館の送迎バスは別)。過去にはバスがあったが、現在は廃止されている。歩くにも距離が遠く、また峠越えの必要もあり、道も狭いためお勧めしない。

私も興味本位で、榊原温泉口駅の写真撮影も兼ねて、榊原温泉~榊原温泉口駅を車で往復してみたが、幅員減少区間やカーブにより見晴らしが悪い箇所が多く、車ですら運転を控えたい区間だと感じた。歩きだと猶更だろう。

どんな人におすすめ?
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榊原温泉は、トロトロの美肌の湯を楽しみたい女性客や、ぬる湯を愛する温泉マニアにこそ強くおすすめしたい温泉地である。派手さや観光地らしさはないが、泉質そのもののクオリティは非常に高い。

地味で静かながら、湯の魅力でしっかりと勝負している榊原温泉。混雑覚悟でぬる湯に挑むもよし、トロトロの美肌湯で自分を労わるもよし、温泉本来の価値を味わいたい人にこそ、訪れてほしい場所である。

なお、同じ三重県の鳥羽市にある、鳥羽温泉(とばおんせん)の一部の宿で、榊原温泉の湯が運ばれて使われているようである。このような、運び湯を使う温泉地自体にはあまり良い印象は無いが、運び湯として使われる榊原温泉の湯は、それだけ良い湯であると再認識させられた一件だった。

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