三重県いなべ市にある『六石温泉 あじさいの湯』(ろっこくおんせん)を訪問した。内湯と露天風呂が一つずつという小規模な温泉施設だが、板張りの脱衣所や静かな休憩所など、素朴ながら落ち着いた雰囲気が印象に残る。高めの湯で身体を温め、湯上がりにはラムネを一本。そんな等身大の温泉体験ができる場所である。
なお、同じ三重県いなべ市にある『おふろcafé あげき温泉』も訪問しており、訪問記事はこちらから。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 六石温泉 あじさいの湯 |
| 所在地 | 三重県いなべ市北勢町垣内36-2 |
| 入浴料 | 平日:700円、土日祝:800円 |
| 泉質 | メタケイ酸泉 |
| 浴槽 | 内湯、露天風呂1 |
| 営業時間 | 平日:17:00~22:00、土日祝:13:00~22:00 |
| 公式サイト | https://rk-hotel.com/ajisai-no-yu/ |
浴場と温泉の特徴 #

受付と入浴の建屋は別となっており、受付建屋から廊下を通じて温泉の建屋に踏み入れると、内装は全面板張りとなっていた。脱衣所も板張りで、温泉旅館に来たかのような情緒がある。規模が小さい温泉施設ということで、共同浴場のような老朽化したコンクリートむき出しのようなイメージだったので、嬉しい誤算である。無料の給水器と紙コップが置かれているのも嬉しい。

脱衣所の壁には温泉分析表が掲げられていた。温泉分析表の掲示は法律で義務付けられているとはいえ、見つけにくい場所に貼られている施設も少なくない。六石温泉では、その存在が分かりやすく示されているのが印象的だ。ただ、源泉かけ流しか循環かといった利用形態については、明確な記載は見当たらなかった。

六石温泉は源泉温度が15.4℃と低いが、メタケイ酸を含むことで温泉としての基準を満たしている。湯船の色は無色透明であるが、温泉分析表を見ると、源泉は微かに黄褐色をしているらしい。また、源泉は金気臭があるとのことだが、湯船では匂いは分からなかった。
実際に湯に浸かると、温度は思いのほか高めに設定されていた。メタケイ酸の恩恵を感じつつも、長湯をするというよりは、短時間で身体の芯を温めるのに適した湯だ。
露天風呂にも入ると、「虫がいることもあるが、自然なものなので了承してほしい」といった趣旨の注意書きが目に入った。昨今、こうした自然の理にまでクレームが寄せられるのであろうか。他の施設でも見かける光景ではあるが、運営側の苦労が偲ばれる。
館内施設 #

湯上がり後は、休憩所を兼ねた食事処へ足を運んだ。土曜日の13時という、本来なら賑わっていてもおかしくない時間帯だが、食事の提供は行われていなかった。静まり返ったその空間は、今は喫茶のような役割を担っているようだ。キリンビールの色褪せたポスターが、何とも言えない雰囲気を出していた。

私は200円のラムネを買い、湯上り後の乾いた身体に水分を補給した。食事処が稼働していない寂しさはあるが、その分、静寂という贅沢を味わうことができる。華やかな観光地とは一線を画す、等身大の温泉体験がそこにはあった。
まとめ #
六石温泉は、内湯と露天風呂が一つずつというシンプルな構成の温泉施設である。しかし、板張りの脱衣所や明確に掲げられた温泉分析表など、細部にはこの施設なりの実直さが感じられる。
湯に浸かり、静かな休憩所でラムネを飲む。派手さはないが、そんな素朴な時間が心地よく、気がつけば時間が過ぎてく温泉だった。