大阪府泉佐野市にある犬鳴山温泉(いぬなきやまおんせん)を訪問した。大阪府の温泉地を問われると、中々答えられる人はそう多くは無いと思うが、和歌山県との県境の山奥に、犬鳴山温泉がある。ここで、川を見下ろす露天風呂を体験してきたため、体験を記す。
なお、大阪府の隣の京都府にて、夕日ヶ浦温泉(ゆうひがうらおんせん)を訪問しており、訪問記はこちらから。
訪問したのは『み奈美亭』と『不動口館』 #
犬鳴山温泉では、2つの旅館で日帰り温泉を体験した。ひとつは『み奈美亭』、もうひとつは『不動口館』である。
両者を比較すると、おすすめは圧倒的に『不動口館』だ。山間に建つその立地は、自然との一体感が心地よく、窓の外には清流と緑の景色が広がる。泉質は単純硫黄冷鉱泉で、湯に浸かりながら感じる肌触りのなめらかさは印象的だった。露天風呂からは川を見下ろすことができ、余計な人工物が視界に入らないため、自然の中での入浴感が楽しめる。浴槽の作りも高級感があり、全体的に完成度が高い。
さらに、温泉むすめファンにとって嬉しいのは、館内に等身大パネルやグッズが設置されている点。ファン向けの配慮がしっかりされており、訪れる楽しさが倍増する。

一方の『み奈美亭』も悪くはない。設備や雰囲気に不満はなく、通常の温泉宿としては十分なクオリティがある。泉質は『不動口館』と同様に単純硫黄冷鉱泉である。ただし、若干の消毒臭があり、温泉の源泉感を求めるとやや物足りない印象を受ける。また、露天風呂の眺望も『不動口館』に比べると劣っており、川を眺めるには衝立越しで、崖に落ちたゴミのようなものが視界に入りやすく、展望としてはやや残念だった。
大阪府といってもほぼ和歌山 #
犬鳴山温泉は地理的には大阪府泉佐野市にあるが、実際に訪れてみるとその立地はほとんど和歌山県との県境であった。雰囲気も大阪市街の延長ではなく、むしろ和歌山の山間部に近い静けさと自然に包まれている。
公共交通機関でのアクセスはやや不便で、車が無いと訪れるにはやや敷居が高い。だが、逆に言えばその不便さが静かな環境を守っているともいえる。
温泉地としての価値は十分 #
大阪の温泉というだけで期待値が下がってしまう人もいるかもしれないが、犬鳴山温泉はその予想を良い意味で裏切ってくれる。特に『不動口館』は、景観・泉質・ファンサービスが揃った穴場的存在。
温泉むすめの存在によって注目される機会が増えている今こそ、正当に評価されるべき温泉地だと感じた。大阪府の温泉という枠にとらわれず、ひとつの魅力ある山間温泉地として、ぜひ訪れてほしい場所である。