三重県津市にある『火の谷温泉 美杉リゾート ホテルANNEX』を訪問した。火の谷温泉は、無色透明・無臭の穏やかな炭酸水素塩泉で、泉質そのもののインパクトは控えめだが、寝湯や内湯と露天がつながる構造、静かな館内環境など、滞在全体でゆったり過ごせる点に特徴がある。
本記事では、浴槽の構成や温泉の性質(温泉分析表)を整理しつつ、実際に入って感じた体験や館内の雰囲気まで含めて、火の谷温泉の実像をレビューする。
なお、同じ三重県津市にある榊原温泉(さかきばらおんせん)や『極楽湯 津店』、『一志温泉 やすらぎの湯』も訪問しており、訪問記事はこちらから。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 火の谷温泉 美杉リゾート ホテルANNEX |
| 所在地 | 三重県津市美杉町八知5990 |
| 料金 | 1,200円(タオル付) |
| 泉質 | 炭酸水素塩泉 |
| 浴槽 | 内湯4、露天風呂1 |
| 営業時間 | 11:00~21:00 |
| 公式サイト | https://www.misugi.com/onsen/ |
浴場と温泉の特徴 #

火の谷温泉では、内湯と露天風呂があり、さらに寝湯も設けられている。特に寝湯は体を預けて長時間過ごしやすく、実際に私は日帰り訪問でついうたた寝してしまったほどだ。
また、内湯と露天風呂のお湯がつながっており、内湯と露天風呂を隔てるドアの下から温泉が流れる構造になっている。湯の流れを感じながら行き来できる点はやや珍しい。

火の谷温泉の泉質は炭酸水素塩泉で、湯は無色透明である。無臭でクセが無く誰でも入りやすい一方で、印象に残る要素は少ない。温泉そのものの個性で勝負するというより、あくまでリラックスのためのベースとして機能している。
源泉名は施設名にもある通り、「火の谷温泉」である。pHは8.4と弱アルカリ性である。源泉温度は18.3℃と低く、湧出量も22 L/minと低い。このため実際の浴槽では加温して利用されている。
館内施設 #
ロビーは広く立派で、卓球台が設置されている。16時頃には浴衣姿の宿泊客が卓球を楽しんでおり、いかにも温泉宿らしい光景が見られた。
全体として地元客の姿はほとんどなく、館内は落ち着いている。日帰り客で賑わうスーパー銭湯とは雰囲気が異なり、宿泊客中心のゆったりした時間が流れている。

館内には、「火の谷」温泉の由来が掲示されていた。火の谷温泉の近隣には大洞山(おおぼらやま)という標高約1,000メートルの山があるが、かつて大噴火をおこし、周辺を炎で覆い尽くしたという。近隣の谷を炎が埋め尽くす様子から、火の谷という地名が残り、やがて温泉名になったという。こうした由来書が掲示されているのは嬉しい。

火の谷温泉はリゾートホテルということもあり、館内の調度品を見ているだけでも楽しい。訪問したのは3月末だが、端午の節句用の鎧飾りや、ひな祭り(桃の節句)用の雛人形が飾られていた。おそらく1年中飾られているのだろう。


また、ねぶたのような提灯もあった。川中島の戦いにおける、武田信玄を描いた提灯と思われる。
まとめ #
火の谷温泉は、泉質の強い個性よりも過ごし方で満足度が変わる温泉だ。無色透明・無臭の湯はあっさりしているが、そのぶん長くゆったり入れる。寝湯や内湯と露天の行き来など、だらだら過ごす使い方と相性が良い。
静かな館内でのんびりしたい人、温泉宿らしい時間を楽しみたい人には向いている。一方で、濁り湯や硫黄臭など分かりやすい温泉らしさを求める人には物足りなく感じるだろう。