香川県高松市にある日帰り温泉施設『仏生山温泉 天平湯』(ぶっしょうざんおんせん てんぴょうゆ)を訪問した。
四国を旅した帰路、香川県高松市で夜発の寝台特急サンライズ瀬戸に乗るまでの数時間をどう過ごそうかと考えていた。選んだのは、Googleマップでふと目に止まった日帰り温泉『仏生山温泉』。正直、列車時間までの暇潰しのつもりで訪問したが、ここでの体験は予想を遥かに上回り、後にはこの温泉を目指して四国・香川県を再訪したくなるほどの大当たりの温泉だった。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 仏生山温泉 天平湯 |
| 所在地 | 香川県高松市仏生山町乙114-5 |
| 料金 | 700円 |
| 泉質 | ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉 |
| 浴槽 | 内湯複数、露天風呂複数 |
| 営業時間 | 平日:11:00~24:00、土日祝:9:00~24:00 ※日帰り温泉施設のため、宿泊は不可 |
| 公式サイト | https://busshozan.com/ |
露天風呂・内湯・泉質の特徴 #
仏生山温泉の泉質は、ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉で、とろとろとした肌触りの温泉であった。すべての浴槽が源泉掛け流しであり、露天風呂と内湯がある。露天風呂の中には、加温されていない約30℃の湯船もあり、温泉ファンも唸る本物の温泉である。モダンな建築と読書のコンセプトで注目を集めつつ、泉質単体でも全国レベルの実力を誇る。日帰り温泉でこのレベルは本当に稀有である。

館内の温泉分析表を見ると、源泉温度は32.6℃ある。実は四国は温泉不毛地帯と呼ばれており、源泉温度が高い温泉が珍しい。四国以外では、30℃以上の温泉はいくらでもあるが、源泉温度が32.6℃というのは四国では珍しいのである。その意味でも、仏生山温泉は四国を代表する温泉と言える。
浴室内にはサウナもある。ただし温度は低め、床に寝そべるタイプである。サウナというより岩盤浴に近い。サウナ好きからすると物足りないかもしれないが、逆に高温のサウナが苦手な私にとっては、むしろ居心地が良かった。
混雑具合と読書 #
ただ一つ、惜しい点を挙げるなら、地元の人々の利用が多く、時間帯によってはやや騒がしいこと。後ほど説明するが、仏生山温泉の特徴の1つとして、温泉に浸かりながらの読書がある。読書に集中するには耳栓があった方が良いかもしれない。実は仏生山温泉を気に入って再訪した際、読書を楽しむため、お気に入りの新刊を東京から持参したが、周囲が騒がしくて読書に集中できなかった。最初に訪れたときの、静かに読書していた観光客の姿が理想だっただけに、その落差が印象に残った。
仏生山温泉の料金 #
仏生山温泉の料金は一律700円である。外観と内装がモダンかつお洒落で、全ての浴槽が源泉掛け流しという温泉体験としては、非常に安い金額である。しかも、日帰り温泉施設だと、平日は安くても土日祝は高くなる場合や、時間帯によって値上げする場合が多いが、仏生山温泉は、大人であれば一律700円なのである。こういった分かりやすい料金体系も良い。また、この安さながら、後述するように、割引があるのも評価が高い。
さすがにこの安さだとタオルは別売りだが、仏生山温泉オリジナルの名入れタオルが150円で販売されており、使い捨てではなく旅の思い出にもなる。また、シャンプー類は当然備え付けがあるため、こだわりがなければアメニティを持参せずとも手ぶらで入浴ができる。
館内施設 #
モダンな外観と内装 #

仏生山温泉でまず目を引くのは、そのモダンな建物の外観と内装である。まるで大学や企業の来客エントランスのような印象で、日帰り温泉施設としては珍しい。シンプルで洗練された空間に、「これはただ者ではない」と直感する。
館内にずらりと並ぶ本 #

仏生山温泉が特異なのは、建物だけではない。なんと、館内に設置された本棚から本を借り、温泉に浸かりながら読めるというコンセプトなのだ。しかも、気に入った本は購入も可能である。温泉に浸かりながら物語の世界に没頭する、そんな贅沢が日常価格で実現できる。以下はその一部写真だが、館内には記憶では数十冊以上の小説が並べてあった。
館内の食事処(カフェ利用も可) #

仏生山温泉には館内に食事処が併設されており、入浴後にそのまま食事を取ることができる。
メニューはカレーやうどん・そばが中心で、風呂上がりにしっかり食事を済ませられる内容である。近年のスーパー銭湯のようにファミリーレストラン並みの豊富さはないものの、入浴後に気軽に利用できる実用的な構成になっている。
私はビーフカレーを頂いたが、温泉施設の食事としては十分満足できる内容で、風呂上がりの空腹をしっかり満たしてくれた。
食事処はカフェ的な使い方も可能で、かき氷などの軽いメニューも用意されている。ふわふわとした食感のかき氷は人気のようだ。
また、館内では瓶入り牛乳も販売されており、入浴後は休憩所でコーヒー牛乳を頂いた。
アクセスはことでんで #
仏生山温泉は、JR高松駅周辺から、通称・ことでん(琴平電鉄)というローカル線で訪れることができる。JR高松駅から少し歩き、ことでん高松築港駅から列車に乗り、仏生山駅で降りる。仏生山駅から10分も歩けば、仏生山温泉へ辿り着く。
ことでんで仏生山温泉へ向かう際にぜひ利用したいのは、ことでんの乗車券と仏生山温泉の入浴料がセットになった切符(チケット)である。この切符はうちわ形で、うちわを駅の改札や温泉施設の受付で見せることで、乗車・入浴ができる。なんとも遊び心のある演出である。このような特殊な切符は、全国的にも珍しいと思われる。地元と鉄道と温泉がうまく連携している事例としても興味深い。また、セットで仏生山温泉の名前入りタオルも付いてくるのも嬉しい。

まとめ:どんな人におすすめか? #
仏生山温泉は、とろみのある源泉掛け流しの湯と、モダンで洗練された空間、そして温泉に浸かりながら読書ができる独自の体験が魅力の日帰り温泉である。何気なく立ち寄ったが、再訪したくなるほど印象に残る温泉だった。
約30℃の源泉風呂と加温風呂を行き来しながらゆったり過ごせるのが特徴で、泉質重視の人には特に満足度が高い。一方で、時間帯によってはやや賑やかになるため、静かに過ごしたい場合は注意が必要である。
以下の人におすすめなため、高松周辺を訪問する機会があれば訪れて欲しい。
- 泉質重視で温泉を選びたい人
- 温泉+読書という体験を楽しみたい人
なお、同じ香川県のこんぴら温泉にも訪問したが、素晴らしい体験だった仏生山温泉と比べて、塩素臭が強いかなり残念な温泉体験であった。そのときの記事はこちらから。